TURNSxW|和歌山の「つぎつぎ、継業」
「継ぐ」とは、思いを繋ぐこと。
“継業”(けいぎょう)という言葉を知っていますか?
身内ではない意欲のある第三者が事業を受け継ぐことを指した言葉です。少子高齢化から日本各地で後継者不足が叫ばれ、和歌山県でも、後継者を求める事業主と移住希望者をマッチングする「移住者継業支援プロジェクト」が立ち上がっています。
しかし、先人の軌跡を尊びつつ自らの特色を織り交ぜて事業をより良くしていこうとする姿勢は、身内が事業を継ぐ “家業承継”と通ずるものが多くあります。
そこで、もしあなたが、移住先の仕事選びの候補として継業を考えていたり、Uターン移住をして家業を継ぐべきか迷っていたりするなら、両方の実践者から話を聞いてみませんか?
先人の思いがあるからこそ、利点があったり一筋縄でいかないコツが必要だったりするから面白い。さまざまなポテンシャルを秘めた「継ぐ」が、今アツイんです。
「TURNS×W(ターンズ・バイ・ダブリュー)-体感する雑誌-」は、実際に『TURNS』で反響の高かったさまざまな特集をテーマに掲げ、毎回異なる移住者2名をゲストにお迎えし、都心と和歌山県(=W)の接点をつくるシリーズ企画です。
東京開催4回目となる1月17日(金)は「つぎつぎ、継業」をテーマに掲げます。
今回のゲストは、和歌山県田辺市本宮町に移住し温泉郷・川湯温泉の中心部にある「民宿すみ家(や)」をご夫婦で継業した百合 光平さんと、和歌山市内にある銭湯「幸福湯(こうふくゆ)」を26歳という若さで家業承継した中本 有香さん。お二人ともUターン移住者です。
【guest#01 百合 光平(ゆり こうへい)さん】 < 民宿すみ家 >
百合さんは和歌山県西牟婁郡白浜町のご出身です。移住前は神奈川県に暮らし建築業をしていたそうですが、子どもを連れて帰省するたびに「家族と一緒に自然豊かな環境で暮らしたい」という思いが強まり、和歌山県へ移住を決意。ゲストハウスをしようと田舎の物件を探すなかで「移住者継業支援プロジェクト」を知り、田辺市本宮町にある温泉付きの物件とオーナー家族の人柄に惹かれ、2019年4月に、和歌山県の事業承継マッチング成立の第1号として3代続いた民宿を継業しました。
百合さんと、妻であり女将の清水紀久子さん。清水さんの前職は駐日マダガスカル大使館大使秘書で語学堪能です。
「民宿すみ家」が位置するのは、全国的にも珍しい温泉郷・川湯温泉。何が珍しいかというと、川底から絶えず湧き出す70度以上の源泉と熊野川の支流大塔川が混ざり合い、その名の通り川原で露天温泉が楽しめる地域なのです。
夫婦共に宿泊業の経験はありませんが、継業にあたり、前女将から料理・掃除・接客などホスピタリティの真髄を積極的に教わり、宿泊者を迎える気持ちごと大切に受け継いでいます。
ちなみに百合さんは元ミュージシャンでもあり、高校の同級生で結成したバンドでプロデビューを果たし、フォークデュオ「ゆず」のバックバンドを7年間務めたという経歴の持ち主。イベント当日は、多彩なバックグラウンドから移住×継業に至った経緯の詳細や、継業ならではの大変さや心掛けなどをお話いただきます。
川湯温泉の共用の露天風呂。タオルや水着を着用して入浴します。春は頭上の桜が咲き誇ります。
冬には地域の人々が協力し合い、期間限定の巨大な露天風呂「仙人風呂」を川原に作るのだそう。
鮎の塩焼きや熊野米、イノブタのすき焼きなど、和歌山県産の食材を中心とした食事を提供しています。
【guest#02 中本 有香(なかもと ゆか)さん】 < 銭湯 幸福湯>
2人目のゲスト・中本さんは、和歌山県和歌山市にある銭湯「幸福湯」の4代目番頭です。1956年に曾祖父が創業し、また祖父から父親へと受け継がれ、半世紀以上にわたり近隣住民や銭湯ファンに愛され続けてきた家族経営の「幸福湯」。2019年4月に中本さんが継ぐタイミングで、思い出の番台を残しつつ全面的にリニューアルをしています。
清掃中の中本さん。入浴料は大人440円、小学生150円、乳幼児80円です(photo:寺内 尉士)
幼少期から「幸福湯」の湯船に浸かり、小学生の頃には番台に座っていたこともある中本さんですが、意外なことに昔から家業を継ごうと心に決めていたわけではありませんでした。
大阪の大学で保育士の資格を取得し、保育関係の企業に就職。会社と自身が描く教育方針にギャップを感じ、退職して帰郷。そんな折、施設の老朽化と後継者問題から「幸福湯」の廃業を視野に入れていると父親から聞かされたことで、自身の人生に寄り添ってきた家業の大切さに気付き、数日後に常連客からも惜しまれたことが後押しとなり、銭湯を継ぐ決意をしました。
今では手書きのメッセージボードを玄関口に毎日設置し、SNSを活用した情報発信も意欲的に行っています。イベント当日は、アップデートするかのように家業を経営する中本さんのなりわいに対する考え方や工夫を伺います。
浴室はほぼ全て一新。以前より浴槽を深くし、腰掛けスペースを新たに設けています。
ゴールデンウィークの期間限定で、地域の子どもたちに描いてもらった特製ののれんを飾っていたことも。
メッセージボードだけでなく、棚や壁の装飾などシーズンに合わせた飾り付けも心掛けています。
ゲストトークの後は、田辺市と和歌山県の方から、継業に関する支援制度や継業者を募集している事業所をご紹介いただきます。
最後は、移住のご相談に個別でお応えするわかやま定住サポートセンター(東京窓口)も参加して全員で交流会。「継ぐ」という仕事選びに関心がある方から、和歌山県への移住を具体的に検討している方まで、どなたもお気軽にご参加ください。
「TURNS×W」を介して、知らなかった和歌山のベールをめくっていくうちに、あなたの人生にふと、和歌山暮らしという選択肢のページが増えているかも?
「TURNS×W」今後の開催予定(全9回)については、詳細が確定し次第、当サイトや関連SNSで随時お知らせします。1回だけのご参加も、連続でのご参加も歓迎です。思わず通いたくなるよう、さまざまなテーマでお待ちしております。
文 前田有佳利
\2019年度TURNSx和歌山県の事業全体はこちら!/
https://turns.jp/28803
日程 | 2020年1月17日(金) |
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開催時間 | 18:30~20:30 |
開催場所 |
開催場所(会場参加)東京交通会館4階 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター (東京都千代田区有楽町2-10-1) |
定員 | 30名 |
詳細 |
18:00[開封]開場 |
お申込み方法 |
申込みフォームをご利用いただくか、お問い合わせ先までご連絡ください。 |
お問い合わせ |
第一プログレス 和歌山県移住PR事業係 |