移住して人間らしい暮らしを実感。高知の人たちをお手本に、自分の感覚を大切に生きていく。
タレント、ライター、カレー研究家 小塚 舞子さん
- 移住エリア
- 大阪府→高知県高知市
- 移住年
- 2024年
ミュージシャンのご主人に「高知はおもしろい場所だからおいで」と言われ、ライブについて行ったのがきっかけで高知県に初めて訪れた小塚さん。その後、暇を見つけては高知を旅するようになり、「もういっそ住んじゃう?」という話も出るほど、高知に夢中になったそう。
そんな小塚さんが高知へ移住し、今どんな事を感じて、今後をどうイメージしているのか。お仕事と子育てに奮闘中の彼女にお話を伺いました。
目次
価値観に変化。移住を決意
ずっと仕事のために大阪に住んでいたのですが、「仕事のために住む場所を決めるより、気に入った場所に住んで、働き方を考えていく方がいいのでは?」って思えてきて。食べ物もおいしいし、景色もきれいだし、行くなら高知しかないって、決めましたね。高知に行かなければ、たぶん移住という選択はなかったと思います。
でも結局は、高知県の人たちに惹かれました。のんびりしているし、明るいし、怒っているように見える人がいないのがよかった。
都会では、建物も人も多くて、電車も満員で、行き交う人が険しい顔をしているように見えていました。でも高知では、すれ違いざまでも、目が合うとみんな笑ってくれるんです。それにビックリして、すごく居心地がいいところだなと思いました。
不便さを超越する『ストレスフリー』な毎日
家探しは物件情報が少なくて苦労しました。インターネットで見ていたのですが、なかなか新しい物件が出なくて、最初に内見した家に今住んでいます。
あと、不便と言えば交通の便!バスが来ないとか、時間前に出発してしまっていることもあったり、何度か違うところに行っちゃったりもしましたね(笑)。でもそれ以外はあまりストレスを感じずに暮らせているので、気持ちいいです。
自然と穏やかな時間の中で気づいた 『大切な事』
都会暮らしの時は、子育てをする中で、子どもとの時間も過ごし方に悩んだり、モヤモヤすることもありました。
休日には「何か休みらしいことを子どもにしてあげなくちゃ」と悩み、まわりにすごく気を遣いながら子どもと遊んでいました。でも、今は自宅から車で15分くらいのところに川があり、大人も一緒になって川遊びを楽しんでいます。いつのまにか時間が経っていて、「あ!もう15時だ、帰らないと」って驚くことも多いです。
日曜市(※)で、子どもが売り物のカニやヤドカリに夢中になって見ていても、お店の人は「他のお客さんの邪魔になるから」と嫌な顔をすることもなくて。それどころか、ポケットから小さいひよこのおもちゃを取り出して、子どもに「はい!」と、渡してくれたこともありました。
日曜市…高知県高知市で行われる、日本最大規模の街路市。300年以上続く伝統があり、約330軒の露店が軒を連ねる。
みんな話しかけてくれるし、一緒に子どもを育ててくれるような、地域のみんながあたりまえに子どもを愛してくれている感じがすごくいいですし、自分もそうでありたい。大阪にいるときよりも、人とふれあう機会が多くなり、「ゆずり合える文化」があって、道ですれ違った人と瞬間的に会話がうまれて笑いあえる”高知の人柄”に、「人間の暮らしってこういうことだな」と、教わりました。
高知カルチャーにふれて見つけた『自分らしい暮らし』
私は元々すごく他人と比べてしまう性格で、それで落ち込むことが多かった。でも高知に来て、人から見られる自分より、自分から見える景色の方が大切だということに気がつきました。高知のカルチャーは独自に発展していて、個性的で素敵なお店が多くて、都会より都会的というか、洗練されているように思います。よそからの影響を受けていない、流行りに流される人が少ない印象もあって、いつも刺激をもらいます。
高知に移住した映画監督の安藤桃子さんが、以前インタビューで「高知は日本の最先端だ」っておっしゃっていて、「もうまさにそれや!」って思いましたね。高知の人はみんな好きな服を着て、好きなスタイルで、他人が見てどう思うかということよりも、自分が心地よく過ごせる方法を選択している気がします。
それは着飾るよりもずっと輝いていて、美しい。そんな高知の人たちをお手本に、私も私が暮らしやすいように、自分の感覚を大切にしたいです。
今後は高知をメインに仕事をしていきたいです。県外へはちょっと出稼ぎに行くくらいが理想。「高知といえば!」で思い出してもらえる人になりたいです。
正直でいられる『第二の故郷』
高知への移住を考えている方には、「とりあえず来た方がいいよ!来たら何とかなるから!」って伝えたいです。そういえば私もそう言われて、本当にのこのこ来てしまいました(笑)。
仕事に関しては、みんなが私の話を聞いて、興味を持ってくれることに感動しました。都会だと聞き流されてしまうようなことでも「こういうことがやってみたい」って言ったら、じゃあどうしたらいいかなって考えてくれる風通しの良さがあるのが高知です。
移住者と地元の人との垣根があまりないところも、高知の特徴だと思います。「最近移住の方がおいしいお店出したみたいだから行ってみよ!」って興味津々で出かけていく。
移住者にとって、地元の人と仲良くできるかは大きな課題でもありますが、高知では心配ないのではないでしょうか。みんな人が好きだし、好奇心旺盛だし。移住してきたことを話すと、喜んでくれる人ばかりで、私もうれしいです。
移住をしてまだ数カ月ですが(※2024年時点)、これからもっと自分は変わっていくだろうなという予感があります。
高知は、自分を支えてくれるところだし、自分を変えてくれる場所、そして、ふるさとになっていくところ。誰かと比べたりせず、正直でいられる気がします。
タレント、ライター、カレー研究家 小塚 舞子さん / こづか まいこ
関西を中心にタレント、ライター、リポーター、カレー研究家としてマルチに活動。結婚・出産を経て、自身の仕事や暮らしに対する価値観が変化し、第二のふるさとに高知を選び、自然と愛に満ちた高知ライフを満喫中。