世界中のどの海よりも面白い柏島の海に惹かれ、夫婦でダイビング移住

柏島ダイビングサービス「AQUAS」代表 松野 和志・靖子さん
- 移住エリア
- 大阪府→高知県大月町
- 移住年
- 2000年/2002年
松野さんご夫妻(左)
四国の西南端に位置する大月町の大堂・柏島エリアは、東京から最も遠い地域と言われています。約400人ほどの島民が暮らす柏島の透き通った海は、「船が宙に浮いているように見える!」とSNSでも話題になりました。そんな大月町にある柏島の海に惚れ込んで移住し、ダイビングショップを開業した松野さんご夫婦にお話を伺いました。
目次
柏島の海の素晴らしさに感動
和志さん:
ダイビング界で「面白い海がある」と話題になっていたのが、四国西南端の大月町にある柏島。狭いエリアですが、魚の種類が日本一多く、一つの魚の群れの中に何十種類もの魚が泳いでいることで有名でした。当時、世界中の海を潜っていたのですが、27歳(1999年)の時に実際に来てみて、他の海とは違う、魚種の多さ、水の綺麗さに惹かれて、気付いたら次の年には柏島に移住していました。

全国からダイバーが集まる、柏島の海
靖子さん:
柏島はダイビング界で有名だったので一度来たことがありました。海はすごく面白かったけれど、すごく遠いので、それっきりになっていました。
ある時ダイビング業界の求人を探していたところ、柏島のダイビングショップがスタッフを募集しているのを見つけました。それで、柏島の海がすごく面白かったのを思い出して、2002年の時に就職という形で柏島に移住することにしました。その後、島で出会った夫は同郷という御縁もあり、結婚に至りました。
地域との繋がりがあればこそ。ダイビングサービス開業までの道のり
和志さん:
元々潜りに来ていた時からお世話になっていた旅館の方から、「旅館でダイビング事業を立ち上げたから水中ガイド役をしてほしい」と声がかかったんです。おかげで、移住した年にダイビングサービス『AQUAS(アクアス)』をオープンできました。旅館が持つ船を使ってダイビング事業をしていくという予定だったのですが、自分の船を持ちたいと思い、購入しました。
店舗は空き家を借りて、『AQUAS』に来たお客さんはその旅館に泊まるという形でスタートしました。
柏島の海がこんなにも美しいのは、島の人が今までこの島の自然を守ってきてくれたから。「僕たちがこうやって仕事をできているのは、島の人たちのおかげ」という気持ちで仕事をしています。地域との繋がりがあってこそ、今があるんです。特に田舎は地域との繋がりが大切だと思いますね。

ダイビング設備も整った宿。ダイビング後もゆったり過ごせるよう設計されているとのこと
靖子さん:
運営するなかで気が付いた問題点は夫婦で話し合いながら改善して、今のAQUASのスタイルにたどりつきました。
例えば、島で宿をやっている人たちがみんな高齢化してきていて、「体力的に食事の提供ができない」という理由もあって、ダイビングが一番忙しい時期に宿がなかったんです。これはまずいと思って、自分たちでもやろう!と決めました。ただ、『宿泊業をして、ダイビングもして』を繰り返す生活は、体力的にもきついなと思っています。移住者の方で宿と飲食店をやってくれる方がいないかなと考えることもあります(笑)。
「日々、感動」の大月町での暮らし
靖子さん:
私も夫も魚が好きで、柏島は変わった魚をよく見ることができて、日々感動します。お客様も海の透明度の高さを楽しむ方はもちろんですが、珍しい魚を見るためにカメラ持参でくる方もいらっしゃいます。
魚屋に売っていないような見たことのない変わった魚が見られるので、次はこれを見たい!とどんどん興味が湧いてきます。海は繋がっているので、この海峡にいないと言われている魚でも見られることがあって、皆初めての出会いを探しているんです。それがあるから楽しいですね。
考え方は人それぞれだと思いますが、都会は給料が高い一方、柏島は都会ほどの給料でなくても、とにかく家賃が安いんです。自由にお金が使えるし、今は必要な物は何でもネットショッピングで揃うし、都会で暮らしていた時より生活満足度は高いです。野草を摘んで天ぷらそばにしてみたり、釣りに行けば魚も獲れるし、そういう都会ではできないような体験ができるのがすごく楽しいと感じています。高知市内から3~4時間はかかるし、コンビニもない。でも、そんな不便さもひっくるめて、大自然と非日常も楽しめるのが魅力です。

約1,000種類もの魚が集まる、まさに「海洋生物の宝庫」!
移住を考えている方へ
靖子さん:
私達みたいに目的があって来る人は入ってきやすいと思います。交通面に不便を感じたり、どこに行くにも遠かったりはあるけれど、その他は都会とあまり変わらない水準で生活できるんじゃないかなと思います。
あとは、移住してすぐに島の生活に馴染むということは難しいかもしれないけれど、島の行事に参加したりして、関わっていくことで、地域に馴染んでいくことが大切だと思います。
和志さん:
まずは観光で来てみてほしいです。実際に来た人じゃないと、ここの本当の良さは分からないと思っています。
それとやっぱり人との出会いですね。高知は本当に人がいいです!その土地で出会える人と関わって、楽しかったと思ったらまた来てくれたらいいなと思います。特に島の人はいい人が多いですよ。

驚きの透明度は観光スポットとしても人気
■関連リンク
高知家で暮らす。(高知県移住ポータルサイト)

柏島ダイビングサービス「AQUAS」代表 松野 和志・靖子さん / まつの かずし・やすこ
夫婦ともに大阪府出身。夫の和志さんは2000年に高知県大月町にある柏島へ移住。同年、ダイビングサービス『AQUAS(アクアス)』を開業。妻の靖子さんは、ダイビングショップへの就職を機に、2002年に移住。移住先で出会った和志さんと結婚。現在に至る
■柏島ダイビングサービス「AQUAS」Webサイト
https://kashiwajima.jp/