各務原で歩みだした、「夢」への一歩。
絵画教室「siroi」講師 楠 拓也さん
- 移住エリア
- 福岡県→岐阜県各務原市
- 移住年
- 2018年
岐阜県南部に位置し、北部から東部にかけて山地が広がり、南部には木曽川が流れる各務原市。航空宇宙産業は市を代表する基幹産業であり、世界的にも成長産業として注目を集めています。
市では平成28年2月に「シティプロモーション戦略プラン」を策定。20代から30代の若い世代をメインターゲットに、市の「ちょっといい暮らし」を提案しており、同戦略プランの一環として、野外音楽フェス「OUR FAVORITE THINGS」や「マーケット日和」などのイベントを開催しています。この2つイベントは、「もっとまちと深く関わりたい」という若者が増えるきっかけとなり、「まち」と「ひと」をつなぐ入口としても機能し始めています。
ここに福岡県糸島市から絵画教室講師・楠さんが移住しました。楠さんが移住するきっかけになった経緯や、各務原市での暮らしについて伺いました。
「ゼロ」からのスタート
昔から絵を描くことが好きだった楠さん。高校生のときに改めて絵を描くことの魅力に惹かれ、本格的にアートについて学び始めました。福岡県から名古屋の専門学校に進学し、卒業後は、福岡県に戻り、さまざまなアーティストが在籍するアートカンパニー「Studio kura」に所属し、講師として絵画を教え、アートに関わるイベントを企画していました。
そんな中、「独立」という新しいステージを見据え、拠点を探していた楠さんは、岐阜の「カンダマチノート」などのアートに対する取り組みを知りました。そんな岐阜エリアの活動への共感と、知り合い頼みの内輪だけの開業ではなく、「ゼロ」からスタートしたいという思いを胸に、イオンモール各務原内に開設した市移住総合相談窓口「かかみがはらオープンクラス」(以下「KOC」という)を訪問しました。
新しい賃貸の形「DIY型空き家リノベーション事業」との出会い
KOCでは「ちょっといい暮らし」の情報発信スペースとしてトークイベントやワークショップを開催するなど、多くの方に利用されています。また、借主が自由に空き家をリノベーションできる「DIY型空き家リノベーション事業」を紹介しており、それぞれのライフスタイルに合った、自分らしい暮らし方や働き方を応援しています。
楠さんもここで「DIY型空き家リノベーション事業」と出会い、古民家を絵画教室として使いたいという夢への一歩を踏み出しました。
地域が「つながる」場所に
市が協力して実施したDIYワークショップなどを経て、ドライフラワー販売・絵画教室「siroi」が平成30年7月にオープンしました。「どんな色に混ぜても優しくする色だから」と名付けられた屋号。今後はさまざまなジャンルの交流拠点としても活用していきたいとのことです。
現在、市では、若い世代が集まり、人のつながりを軸にした活発な動きが起きています。中心市街地に位置する都市公園「学びの森」の中にあるカフェ「KAKAMIGAHARA STAND」では、月に一度、「寄り合い」を開催しています。この「寄り合い」では、ジャンルを超えて多様な人たちが集まり、身近なこと、まちの未来のことなど、様々な話に花を咲かせています。楠さんも、「人が暖かくて、この時代に、多くの人が集まって、ワイワイできる空間が身近にあることは本当に嬉しい」と積極的に参加しています。
移住して新たなつながりを大切にしている楠さん。そのつながりがどんな影響を各務原市に与えて盛り上がるのか…。これからがとても楽しみです。
絵画教室「siroi」講師 楠 拓也さん / くす たくや
1987年福岡県生まれ。母親の実家である熊本によく行き、大自然の中で遊んで育つ。2010年 名古屋造形芸術大学(現在の名古屋造形大学) 美術学科洋画コース を卒業し、その後福岡県糸島市にある「Studio Kura 絵画教室」で4年間絵画造形教室の講師として勤務。子どもたちには様々な技法での絵画教室と、色んな素材で直感的に学ぶ造形教室を行う。
「アートは結果ではなく、そのプロセスを楽しむ『遊び』と同じ」をモットーに講師として努め、幼稚園や保育園で絵画造形教室のレッスンなども行い、毎月200名以上の子どもたちと楽しく制作。他多数の大人向けワークショップなども開催。現在は岐阜県の各務原市に移住し「siroi ドライフラワーと絵画教室」を開講し独立。