【駅から歩いて渓谷??】みどり市・大間々レポート…古代のロマン香るまちなか暮らし
群馬県は東部エリアにある、県内で最も新しい市「みどり市」
ひらがなの自治名からは、緑の多い地域かな?と想像される方もいらっしゃるかもしれませんね。山河豊かで緑多い市でありながら、ショッピングセンターがあり、新しい小学校が建設されるなど、子育て世代も暮らしやすいまちです。
2023年11月に開催された「オンライン居酒屋@みどり市」にて、地域の暮らしを近藤酒造の蔵元と地域おこし協力隊からお伝えいただきましたが、実際どんな人たちが暮らしている地域なのか見てみたい…
ということで、ぐんま暮らし支援センターの移住相談員がみどり市を歩いて見てきました!
2006年3月に笠懸[かさかけ]町、大間々[おおまま]町、東[あずま]村が合併して誕生。(2023年時点)人口約4万9000人。市立幼稚園1園、小学校7校、中学校4校、義務教育学校1校。
かつて足尾銅山の銅を運ぶあかがね街道の宿場町として発展。渡良瀬川が市内を縦断し、栃木県境から首都圏へ流れている。名所として、渡良瀬川沿いを走る「わたらせ渓谷鐵道」(通称わ鐵)、草木湖畔にある「富弘美術館」、日本の旧石器文化の存在を証明した「岩宿遺跡」がある。マスコットキャラクターはマンモスの男の子みどモスで、年齢は35,000歳。
わたらせ渓谷鐵道(以下わ鐵)「大間々駅」でみどり市の移住担当さんと待ち合わせをしていたので、前泊していた桐生市からわ鐵に乗って向かいます。
祝日の行楽日和、ご夫婦やひとり旅の方、またポルトガル語を話す家族連れなどが、わ鐵の車両を待ちます。
そしてトコトコとやってきた1車両のあかがね色に乗り込み、ワンマン運行※で大間々駅へ向かいます。
駅に到着すると、団体旅行の旗を持った人や旅行客と見られる方々、大型バスが集い駅が混雑していてびっくり。
駅前には「みどり市観光ガイドの会」のテントが立ち、お揃いのハッピを着た年輩の人が何人も立っておられました。
この秋の紅葉シーズンは、菊花大会が近くのながめ余興場で行われることもあり、ふだんより人が多いそうです。ヨソから来た人に寛容な雰囲気は観光地がある地方ならではですね~。
立ち話をしているうちに、みどり市の移住担当者さんと合流(生まれも育ちも生粋のみどり市民)。
早速市内を巡ります。
駅から歩いて渓谷に行ける?!みどり市の観光名所「高津戸渓」
—この日は観光目線のポイントもありながら、みどり市の旧市街「大間々(おおまま)」エリアを中心に、市内を車で案内していただきました。
乗り合わせの車でおよそ1分、先ほど合流したわ鐵の沿線にそって北上すると、赤い高津戸橋が見えてきます。市営駐車場に車を停めて橋を渡ると、その目下は渡良瀬渓谷!
大間々駅前のコンビニ、地方道が続くばかりと思っていたので、一気に峡谷の風景が見えてびっくり。
旧市街の名残が残るレトロなまちなか
高津戸橋から遊歩道~ゴリラ岩~はねたき橋と歩いて15分程度。再び市営駐車場へ戻り、今度は東国歴史街道(国道122号)沿いに向かいます。
街道沿いには、地酒「赤城山」の蔵元近藤酒造はじめ、門扉かまえた大きな邸宅、白壁の蔵、はたまた空き商店などが静かに建ち並ぶなか、立ち寄ったのが「コノドント館」というタイル調のレトロな建物。みどり市の生活や歴史を一挙に見られるとのことで案内していただきました。
元銀行ということもあって、金庫室を利用した展示室があったり、県境接する栃木県の特産品である大谷石(耐火性に優れる)を使った建築を目にして、かつての繁栄を垣間見ます。
(左)「コノドント」について…生物化石なのだそうです。よく分からなかったので、どなたかお詳しい方に教えて欲しいです..
(中)2階・視聴覚室。平成生まれは懐かしいメガネ…3D映像の恐竜アニメーションは、小さなお子さんが喜びそう!
(右)みどり市の歴史展示。群馬県HANI-1グランプリにて2位(器材埴輪部門!)の盾形埴輪
こちらの施設も市が管理しているのですが、移住担当さんが話かけると、「みどり市とっても良いところなので、ぜひ移住したい方にお伝えください!」とみなさんPRしてくださいます。地元の方が受け入れるお気持でいてくださるのは嬉しいですね。
そうこうしているうちに、お昼の時間に。移住担当さんが「予約しておきましたよ」と、おすすめされたご飯屋さんへ向かいます。(一日のコースや食事のことも気にかけてくださり恐縮です…!)
群馬県イチ?豪快なやわらかロース・松屋旅館「ソースカツ丼」
どこのご飯屋さんへ向かうのですか?と店名をお聞きしたら「松屋旅館」というお宿とのこと。
ビジネス利用の宿泊客が多いそうですが、ランチは予約しないと食べられないこともあるほど人気なのだとか。
祝日も相まってか、バイカーの姿が多い旅館内の「食堂」へ若女将から案内いただき提供を待っていると…。
ドーンという効果音が思わず聞こえてくるような丼ぶりが運ばれてきました。
丼のフタが閉まらないほど厚みのあるとんかつに、ソースがたっぷりかかった一杯に驚きです。
群馬県でかつ丼といえば、とんかつに甘辛いソースやたれがかかり、白米に乗ったスタイルが一般的。
3cm以上はあろうかという豚肉にかぶりつきながら、群馬の養豚は全国4位だということを噛みしめました。
(食べきれない人を想定してか、持ち帰り用のパックまで親切に用意されています。持ち帰りました…)
美味しいお昼ごはんをいただきながら、みどり市には四季の自然に合わせたイベントが多いが、飲食店が少ないこと、市民は休日にはお隣の桐生市や太田市、足利市などへ車で遊びに出かけることなどを聞きました。
蔵を活かしたまちへ。新たに人を呼び込みたい。「蔵人新宇(kurart ARAU)」
松屋旅館がある銅街道沿いは、先のコノドント館も建ち並ぶ歴史を感じさせる非常に静かな通り。この沿道に2021年、蔵を活かしたカフェ・ショップが開業し、みどり市の新たなスポットになっているとのことで、ご案内いただきました。(松屋旅館からは車で約1分の距離)
(左)蔵人蔵宇マップ。カフェ・陶器ショップ・宿泊施設・ギャラリーが集う
(右)オーナーの新井さん。山梨県出身、みどり市へは結婚を機に来られ、江戸時代「新宇商店」として地域に根付いていた蔵を持つお家だった。使われていなかった土蔵群の修復と利活用をはじめられた。
こちらの宿泊施設「銅の夢」は、群馬県のワーケーションツアーでも利用されたのだそう。1棟貸し、敷地内の広い庭でBBQもできる、のびのび過ごせる空間!企業研修や団体利用、家族単位でのお泊りがおススメ。
古い土倉は長年空き家として放置されてきたそうで、その改修に着手するには、時間も資金も大変なご苦労があったはず。オーナーの新井さんは、元々みどり市市議も務めておられた経歴もあり、みどり市の良い所・課題が見えておられたのだそうです。
「歴史ある大間々の魅力を発信して、元気な地域に、みどり市ブランドとして海外にも発信できるように!」
市議から手を引き、みどり市民として市を盛り上げようと奮闘されている、とても闊達な新井さんの取り組みに今後も注目です。
~蔵の庭BBQもできる、1棟貸し宿泊施設「銅の夢(あかがねのゆめ)」の内部レポートは別途作成中~
50代の地域おこし協力隊だからこそ!空き物件を活用・チャレンジショップ「ななし」
居心地のよい宿を後ろ髪に、最後に訪ねたのはみどり市地域おこし協力隊が立ち上げたチャレンジショップ「ななし」です。銅街道を東武鉄道「赤城駅」方面へ南下すると、車通りの多い交差点にそのDIY物件はあります。
▽ポップアップストア&チャレンジスペース『ななし』
Instagram @nanashi_oomama
(群馬県みどり市大間々町大間々1466)
この場を運営しているのは、2023年4月から着任された、みどり市地域おこし協力隊の宍倉淳一さん。
みどり市大間々町の中心地に空き店舗があることを、長屋に入居していた花屋の方から教えてもらい利用を考え始めたのだそうです。
2023年11月にオープンした『ななし』は、開業までに地域の方々と一緒にDIYを施し、「壁塗りワークショップ」なども開催しながら”みんなで作り上げた”場所になっています。→DIYの様子は宍倉さんのInstagramハイライトより♪
着任してから半年も経たない間に、町の空き店舗を活用した宍倉さんの行動力に驚きますが、実は協力隊員としてのミッションは「移住定住対策」。
神奈川県出身の宍倉さんは、みどり市へ移住する前は、東京都内で約 20 年間、婦人服小売業を営んでおられた経験がおありです。
自身が東京で事業経営をしていた経験を活かしながら、大間々のまちなかを元気にしたい!と活動されている「ままよしプロジェクト」や、みどり市で出会った人々とコミュニケーションを重ねる中で、このチャレンジショップのアイデアが出てきたとのこと。
大間々町のシャッター商店が1つでも空き、その場を使って「何かやりたい人のキッカケの場」、「好きなこと・得意なことを始める場」、「店舗を持ちたいけどまずは試せる場」を作る。そしてみどり市で事業をはじめたり店舗を持つ人や、今以上にイキイキとした人や楽しんでいる大人が増えることで、移り住む人や住み続けたいと考える若者や子どもが続けば、という思いで活動に励んでおられます。
訪ねた日は、店舗屋外で“巨大木製オセロ”で真剣に遊んでいる子どもや木工作家、貸し本屋、屋内では伊勢崎市のアクセサリー作家の方々がポップアップ出展をされていました。一角にはアウトドアテーブルがあり、お茶やお菓子が並び、訪れた人たちがみな楽しそうな表情!(初めて来た相談員にも、手作りの梅ほうじ茶をくださる方など、みなさんフレンドリー!)
宍倉さんも、ななしの中心よりは少し端のほうで、会話し笑いながら過ごしていらっしゃいました。子どもも大人も、性別世代関わらず楽しそうに交流されている様子に、人生経験豊富な宍倉さんだからこそ生み出せる、ゆるやかで活気のある場だなと感じました。
みどり市大間町でラフな田舎暮らしを
みどり市の視察は、『ななし』から車で約3分の「赤城駅」で終点です。
東武鉄道とローカル鉄道の上信電鉄(じょうしんでんてつ)が接続する赤城駅からなら、特急りょうもう号を使うと、北千住まで乗り換えなしで約1時間45分。都内から日帰りも楽ですね。
今回のレポートでは、車移動で各地およそ10分以内の範囲を回りました。
短い距離の移動道中は、4路線走る電車網や、観光列車から間近に見える渡良瀬渓谷の自然、歴史を感じる街道や博物館に、一見分かりづらい名店までぎゅっとコンパクトに見て回ることができました。
写真にはありませんが、市役所、郵便局、銀行・信用金庫、コンビニ、ホームセンターもあり、また生粋のみどり市民に案内いただいたおかげで、地元民御用達の海鮮居酒屋があることや、焼きまんじゅうの老舗、地酒の酒蔵、歴史ある醤油蔵、年に1度の大にぎわい「大間々祇園際」でどんな事をするのかなどお聞きしました。
また相談員がアレコレと質問をしても、気さくに答えてくださる市民の人柄に、肩ひじ張らない暮らしができるのではないかとも感じました。
赤城駅にはレンタルサイクルもあるので、このレポートでご案内した各地へは車を使わずともアクセス可能です。
みどり市大間々町は、とってもコンパクトながら、静かでちょうどイイ、これからの田舎暮らしにぴったりな地域かもしれません。
今後のまちの姿も気になる、群馬県みどり市へぜひ一度訪ねてみてくださいね。
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