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【福岡県】柳川市訪問記

【福岡県】柳川市訪問記 | 地域のトピックス

2023年11月に柳川市を訪問しました。今回は2泊3日の滞在で、どっぷりと柳川に浸る時間になりました。
いろいろなところ、いろいろないとなみ、そしていろいろな人に会うことができました。
それでは、どんなおはなしが聞けたのか、ご紹介をしたいと思います。

 Hitokei woodworks 松藤宏幸さんのおはなし


<写真 松藤さん 工房にて>
松藤さんは2019年に岐阜県高山市から柳川市に移住されました。ご自身の出身地は大阪府ですが、ご両親の出身が柳川市です。

― 実際に住んでみて、柳川の暮らしはいかがですか?地域の付き合いとか?
「移動は車を使っていますが、周辺に商業施設なども多く、あまり困ったことはありません。福岡市へはあまり行かないですが、近くに大きな都市があるのは安心感につながっていますね。
 家族が地域になじむのも早かったと思います。町内の運動会やソフトボール大会などあって、もちろん大人も参加します。みなさん、入ってくる人にはウェルカムな感じで、おおらかで細かいことを言わない方が多いような気がします。
― お仕事はどうですか?
「家具で有名な大川市が隣にあり、材料の仕入れや仕事の情報など集めやすく、職人にとっては良い環境だと思います。以前住んでいた飛騨高山とは気候の違いが大きく、寒さがきつくないので柳川のほうが仕事しやすいです。
夏のむし暑さにはめげそうになりますが(笑)」

<写真>工房の壁面にならんだ丸鋸の歯。見てるだけでワクワクします。

― 柳川に住んで暮らしが変わりましたか?
「すごく便利、というわけではありませんが、買い物にしても病院にしてもだいたいのものが揃っていて、ちょっと不便な感じがちょうど良いです。子どもは地域のお祭りなどに参加して、楽しく過ごしています。私も菜園を借りて、野菜作りをはじめました。時間の使い方にゆとりを感じながら、暮らしを楽しんでいます。」

<写真>松藤さん作成の椅子、長時間座っていましたがとても座りやすい。

予定よりも長い時間滞在してしまいましたが、いろいろなお話を伺いました。
お忙しいところありがとうございました。

松藤さんの移住までのいきさつなどは「柳川移住ガイドブック」にインタビューが掲載されています!
柳川移住ガイドブック – 柳川市 (city.yanagawa.fukuoka.jp)

>「Hitokei woodworks」のサイトはこちら。工房に隣接するギャラリーでは実際に製品を見ることができます。
無垢の木のオーダー家具 | Hitokei woodworks | 福岡県柳川市

 「一般社団法人 柳川暮らしつぐ会」北島智美さん、島田侑季さんのおはなし


柳川は掘割や古民家の並ぶ風景など、懐かしさが感じられます。そしてそんな町にはお祭りや方言、昔ながらの手仕事などそこで暮らす人々が大切にしてきたものがあります。
暮らしにまつわるモノ・コト・ヒトを隣から隣へ、次世代に伝えつないでいくため、2015年9月に柳川市主催のまちなみワークショップ参加者を中心に「柳川暮らしつぐ会」が発足しました。
今回は、「柳川暮らしつぐ会」代表の北島さんとメンバーの島田さんにお話を伺いました。

― どんな活動をされているのですか?
「活動の柱は3つあって、①空き家の活用、②移住・定住サポート、③手仕事の会になります。会の発足時に「古澤家」という古民家の活用に取り組みました。その時に「花屋をやりたい」という方が現れて、家の部分貸しという形でオープンすることができました。
 また、柳川市には「武家屋敷」が点在しており、個人所有の状態で残っているのは珍しいと言われています。武家屋敷に限らず、歴史的にも価値のある建物を残していくためにも、それを活かす持ち主に渡していくことが重要です。」

― 空き家を探している人は多いと聞いています。
「柳川市だけではなく、空き家は確実に増えており、景観や安全、相続など多方面で問題になっています。ただ、空き家があっても、不動産市場に出るかどうかは別問題で、いろいろな事情によりそのままになっている物件が多いのが現状です。空き家を買いたい、リフォームしてカフェを開きたい、などご要望は多いのですが、実際には難しい状況です。ただ、上手く話がまとまることもあります。一例ですが、売り手側にはその家に愛着や家族の歴史を感じているので、ただ売るのでなく「生かしてほしい」という気持ちがあります。そんな思いを受けとめて、買い手側が自分の思いを伝えることができれば、交渉はかなり前進です。」

『空き家をお持ちの方へのアクション』「柳川暮らしつぐ会」HPより

― 移住・定住サポートでは市からの委託を受け、お試し居住施設の運営もされていますね。
「柳川市にはお試し居住施設「もえもん家」があって、移住を検討されている方に宿泊だけではなく、暮らしの相談、歴史に触れたり地域の人と交流したりする機会を提供しています。限られたメンバーではありますが、できるだけみなさんに柳川を知ってもらいたいと思ってみんなで活動しています。」

<写真>市内を案内するメンバー 「柳川暮らしつぐ会」HPより

― 手仕事の会、倉庫びらき、小さな古物店、アンティーク着物市など、イベントもたくさんありますね。
「昔の人は当たり前に行っていた暮らしをつなげるために「手仕事の会」も行っています。月に2回、古物や古布を使った商品開発やものづくりを楽しんでいます。また、倉庫びらきは家具などの大物を中心に年に1回、小さな古物店は食器や雑貨を中心に月に1回、空き家活用でいただいた古物を販売しています。」

<写真>第4回倉庫びらき 「柳川暮らしつぐ会」HPより

― 古民家や空き家を探されている方へなにかアドバイスがありますか?
「物件を見て、自分がそこでやりたいことができる、またはやっているイメージが持てるかどうか。それが決め手になることが多いと思います。そのためには物件をたくさん見ることです。
 あと、なんとなくですが、「いちばん最初に見た物件に返ってくる」方が多いような気がします。最初の物件はその後の比較対象になるからでしょうか?」
― それなんとなくわかります。

>「柳川暮らしつぐ会」についてはこちらのHPをご覧ください。
古民家や空き家は解体から活用へ – 柳川暮らしつぐ会は、空き家・古民家の活用を軸に、暮らしにまつわるモノ・コト・ヒトを伝えつなぐ市民グループです。 (kurashitsugu.com)

お話に夢中になり、うっかり写真を撮り忘れてしまいました!!すみません。
北島さん、島田さん、お忙しいところありがとうございました。

 地域おこし協力隊のみなさんのおはなし


<写真>(現在活躍中の地域おこし協力隊のみなさん)左から竹下政志さん、堤康二朗さん、(筆者)、吉原彩里さん、西濱美穂さん、横山真平さん

今回は西鉄柳川駅の「からたちスペース」でお話を伺いました。
『「からたちスペース」は西鉄柳川駅西口再開発に合わせて建設が予定されている 「にぎわい交流施設(仮称)」を見据え、新施設に求められるニーズを把握するため、 駅に隣接する「からたち名店街」を活用し 柳川市地域おこし協力隊がカフェやお土産処、 チャレンジショップなどを展開しています。』(柳川市HPより)
11月1日にプレオープンし、12月1日に正式オープン!という日程で、とてもお忙しいところにお邪魔して、お話を伺いました。(訪問は11/22)

訪問した時間は、隊員全員と市役所の担当の方といっしょにミーティング真っ最中でした。

― 柳川ってどんなところですか?
・柳川市は観光に強い。観光資源は自然(海や山)ではなく、人が創った都市で、それが柳川の魅力です。
・福岡市、久留米市、大牟田市の郊外のまち。独特の文化がある。
・住む前は田舎暮らしをイメージしていた。不便なところもあるが、車で移動しているので、困ると思うことは少ない。街が平坦で坂がない。
― 地域とどのようなかかわりがありますか?
・(一同)お祭りが多い!ハードなお祭り※もある。


<写真>どろつくどん(柳川市HPより)
※御賑会(おにぎえ)
毎年10月に行われる、初代柳川藩主の立花宗茂公と、宗茂の妻 誾千代姫、そして岳父 戸次道雪公の三神を御祭神とする秋季大祭。クライマックス「御神幸行列」では、山車から大きく身を乗り出した踊り手が、お囃子とともに独特の踊りを繰りひろげる「どろつくどん」が披露され、大きな太鼓とドラの激しいリズムが踊り手たちを鼓舞し、祭りを盛り上げます。

・お祭りは人手がたくさん必要で、最近は幅広い人が関わる形になってきています。
― 「からたちスペース」について
・隊員の所属が観光課と商工・ブランド振興課と2つに分かれているので、普段は所属する部署でそれぞれの役割を持って、様々な取り組みを行っています。
「からたちスペース」は、西鉄柳川駅西口再開発に合わせて建設が予定されている 「にぎわい交流施設(仮称)」を見据え、新施設に求められるニーズを把握するために、柳川ブランド推進協議会が進めている事業です。
地域おこし協力隊が中心となって、駅に隣接する「からたち名店街」を活用し、カフェやお土産処、 チャレンジショップなどをオープン準備に取り組んでいます。
当日は、市役所の担当の方や取引業者、冷蔵ケースの搬入など、お話を伺っている間も、ずっと準備作業が進められていました。

 そして、2023年12月1日にオープンしました!!


<写真>店内の様子(インスタグラムより)
取材中に搬入された冷蔵ケースが活躍している!

<写真>「Hitokei woodworks」松藤さんの作品も並んでいます。(インスタグラムより)

<写真>隣接するチャレンジショップ「一坪」(インスタグラムより)

>「柳川市地域おこし協力隊インスタグラム」はこちら。
柳川市地域おこし協力隊(@yanagawa.okoshi) • Instagram写真と動画

お忙しい時間にお邪魔したにも関わらず、みなさんとても親切丁寧に対応していただき、いろいろなお話を聞かせていただきました。
本当にありがとうございました。

 人の営みが感じられる歴史と文化のまち”柳川”

4年ほど前に柳川市を訪問した時は、滞在時間3時間くらいでした。その時に、お会いした市の担当の方から「柳川の良さはせめて一泊しないとわからない。」と言われ、その言葉がずっと残っていました。
そして今回、2泊3日という時間を柳川で過ごすことができて、以前お聞きした言葉の意味がよくわかりました。時間の流れや人の賑わい、ひっそりとした路地のにおいなど、観光施設を見て歩くだけでは感じられない、まちの奥行きを知ることができました。

今回の柳川滞在については、柳川市企画課 企画係 園田様に大変お世話になりました。充実したスケジュールを組むことができたのも、園田様のおかげです。本当にありがとうございました。

<写真 お世話になった園田さん @柳川市役所>

最後に、滞在中はたくさんの方々にお会いしてお話をさせていただきました。わざわざお時間を割いていただきありがとうございました