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【大月町】廃校再生!地域と世界がアートで交差する拠点「COSA」

【大月町】廃校再生!地域と世界がアートで交差する拠点「COSA」 | 地域のトピックス

大月町の旧小才角小学校の校舎をリノベーション!
大人も子どもも楽しみながら、大月の自然や文化、アートにふれられるイベントを開催しています。
 

高知県でアートといえばCOSA


COSAこーさ
 (正式名称:大月町長期滞在複合施設)は、閉校した旧小才角こさいつの 小学校の校舎をリノベーションし、地域と世界が「交差」する新たな出会いの拠点として生まれ変わりました。長期滞在するアーティストが大月町の自然の中で感性を研ぎ澄ます場、また、住民と関わる新しい場となっています。

2023年3月1日のオープン前からすでにCOSAの活動は始まっており、2022年8月には外構と宿泊施設の工事が終わった後で地区の住民向けの見学会を、同年9月には高知県立美術館主催の「高知あだたん映画祭」を開催。続いて校庭に巨大鉛筆を立てるワークショップ、ソプラノ歌手による音楽会、廃校の校歌を奏でるオルゴールなど、様々なアートを体験することができる「大月コンテンポラリーアート展」も開催しました。

「他県に行った時に『高知県でアートといえばCOSAだよね』と言われたんです。たまたまその方が知っていただけかもしれませんが、オープンして間もないのにビックリしましたね」と話すのは、大月町まちづくり推進課の長谷川亮太さん。2023年4月からCOSAの担当になった長谷川さんは、以前から小学生の子ども2人を連れてCOSAのワークショップイベントに参加していたといいます。「子どもたちにいろんな体験をさせてあげたかったことと、どんな施設なのかよくわからなかったので、まずは行ってみようと思って参加しました。子どもたちは絵を描くのが好きなので楽しんでいましたよ」

アップサイクル家具づくりのワークショップも好評で、2022年度は3回開催されました。
「アップサイクル」とは本来は捨てられるはずのものに新しい価値を与え、リユースするという考え方です。廃品や不用品だけでなく、地域の自然素材も活用します。実際にCOSAの共有スペースでみんなが使っている家具も、大月町役場内で使われなくなった古いイスに古布のパッチワークでカバーをつけたり、手すりに流木を活用したりして生まれ変わらせたものです。 地元大工が校舎内の工事の際にキレイに壁から剥がしておいた腰板も、テーブルの天板として再利用しています。

 


 

地元の人にこそ知ってほしい

 
今のところCOSAの利用者は、運営コーディネーターとつながりのあるアーティストやイベントの関係者などが多いそうです。 「ただ、アートばかり先走ると地元の人には敬遠されがち。地元の人に認められなかったら意味がないんじゃないので、アートだけじゃないことを知らせていきたい。」と長谷川さん。 そこには、地域と世界が「交差」することで、地域に新しい価値と輝きが生まれ、大月町が「自然・文化・アートとともにある真にゆたかで美しいまち」となることを目指すCOSAのミッションがあります。

COSAのある小才角地区は、大月町役場のある中心地からは15.3kmの距離。車で約20分かかります。 「地元の人からするとCOSAは遠いので、来てもらうばかりでなく、まずは職員が出向いて行って伝えることをしています。放課後子ども教室に出張したり、地域のゴミ拾いに参加したり、祭で神輿を担いだり。まずはつながりを作るところからです。」と長谷川さんは話します。 地元の木を使った箸作りや、地元の石を使ったアクセサリー作りなど、身近なところから地域の魅力を発掘するワークショップも開催しています。

そうするうちに、近くに住む小才角地区の人たちが、COSAに気安く立ち寄ってコーヒーを飲みながらおしゃべりする姿が徐々に見られるようになりました。 高知大学の先生と生徒たちが研修に使ったり、土佐清水市の小学生が遠足に訪れてお箸作りをしたり、また教育の場面でも利用される機会も増えつつあります。


 

町の魅力と可能性を高める

 
外からやってくるアーティストにとって、自然との距離がとても近い大月町は感性を強く刺激される場所だといいます。 しかし、住民にとっては当たり前だったり価値を認識していなかったりして「大月町なんてなんちゃあない」と口にする人も少なくはありません。 「今の子どもたちにはそんな風に言わせたくないんです。大月町にはあれもある、これもある、と言える子どもになってほしい。そのためには気づきを与えてあげる場所が必要です」と長谷川さん。

その辺に落ちている石が「硯」だったり、貴重なサンゴがあったり、価値のある場所だということをまずは知ることから可能性が生まれるといいます。アートやアニメを手段のひとつとして、COSAは大月町の魅力を再発見する拠点としての役割をも担っています。 2023年度は月に1回、地元の木や花、石を素材として利用したものづくり「自然とアートの教室」を企画。夏休みの子どもたちを対象としたサイエンスキャンプや、アーティストの個展も随時開催していく予定です。

これからのCOSAについて長谷川さんは「個人的には、子どもたちの可能性を広げる場所になったらいいな、と思いますね。うちの子どもはお絵描きが好きなんですが、お絵描きを習えるところは近くにないですし、本物の絵を見ようと思ったら高知市まで車で2時間半以上かけて行かなければいけない。本物の絵を見れないから絵の仕事に就けないとか子どもの選択肢を減らしたくない。 子どもたちが『COSAに行こうよ!』って自ら言ってくれるようになったら嬉しいですし、小才角地区の人たちにとってもいつでも気軽に来れる憩いの場所にしていきたいです」

地域と世界の新たな交差点がどんな化学反応を起こすのか、これからの展開に期待が高まります。

名称:滞在型文化教育交流施設「COSA」(正式名称:大月町長期滞在複合施設)
住所:〒788-0322 高知県幡多郡大月町小才角350
TEL:0880-75-5262
HP:https://www.cosa.info/
開館日:金〜月曜日 10~16時(イベント開催期間はこの限りではありません)

 

※この記事は、2023年7月5日時点の情報を掲載しております。

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