移住者の紹介ー地域と芸術を結び、福知山の魅力を発信@福知山市
1986年生まれ、福知山市出身。13歳からクラリネットを始め、地元の中学、高校では吹奏楽部に所属。大阪音楽大学でクラリネット奏法を学び、卒業後はプロのクラリネット奏者・フリーランスの音楽家として活動。東京にも活動場所を広げ、2016年よりフランス・パリの音楽院で過ごす。2020年に帰国し福知山にUターン。2021年に各種イベント企画・運営、ウェブ制作、音楽、演劇、ミュージカルなど多岐に渡る芸術事業の企画・制作を手掛ける「株式会社Locatell」(以下Locatell)を起業。現在は大阪と福知山の2拠点で活動中。
都会に住んでいたからこそわかる、福知山の良さ
「元々は、福知山にUターンして何かを始めようと考えていたわけではありませんでした。」と話す吉田さんは、大阪でフリーランスの音楽家として活動する中、2010年頃からは、大阪と福知山を往復して活動するように。
福知山で活動する魅力は、都会よりも親密な人と人との距離感、そして美しい自然に囲まれた環境。「福知山にずっと住み続けていたら、逆に福知山の良さに気づかなかったかもしれません。」と話します。また吉田さんは、地元の魅力を大阪の人にも伝えたいと思い、福知山をテーマにした曲も作曲・演奏して紹介してきました。
地域と芸術の結びつき
地元の良さを再認識できた一方、都会と比較した際、福知山では芸術に触れる機会の格差があることに気づきました。この格差を埋めるために自分では何ができるのかを考えた末、「私にできることで、福知山の人々にもっと芸術文化に触れる機会をつくりたい。」という思いが強くなります。
帰国後、コロナ禍にLocatellを起業
2020年、吉田さんがフランスから帰国した直後はコロナ禍の真っただ中で、演奏の機会がほとんどなくなります。同時に、福知山の地域も厳しい状況にあり、特に飲食産業は大きな影響を受けていました。そんな時、ある洋菓子店の販売促進活動のプロデュースをすることになり、それが現在のLocatellを立ち上げるきっかけに。その後、本格的な事業展開に乗り出し、プロの音楽家としての活動を休止します。
地域の魅力を伝える、地域に魅力を伝える
社名である「Locatell(ロカテル)」は、Local(地方・地域)とTell(伝える)を組み合わせた造語。「地域の魅力を伝える、地域に魅力を伝える」を会社のビジョンに掲げ、福知山の魅力を他の地域に発信して伝える、逆に福知山にないもの、他の地域の魅力を福知山に伝えるという考えから生まれました。同社はこのビジョンを軸に、クリエイティブ事業、アート事業、ローカルブランディング事業を主体として活動を行っています。
クリエイティブ事業では、HP・ECサイト・映像制作からロゴ・カタログ・パッケージ制作などの印刷物、フリーペーパー「Fukuchiyama Magazine」の企画・制作・運営を行うなど、その内容は多岐にわたる。
ローカルブランディング事業として手掛けている、福知山の四季を四つの感覚で味わう「MEETS GOOD COFFEE」。
Locatellでの働き方
様々な事業を展開するLocatell。吉田さんの仕事内容は多岐にわたります。「多くの事業に関係するオンラインミーティングに始まり、各種講演、イベントのコーディネート等、取り組む活動が様々なので、1日の仕事に決まったパターンはありません。SNS発信のための動画制作、広報活動等に集中している日もあります。今後も事業活動のエリアは国内外を問わず、音楽を通じた国際活動、サロンコンサート、海外アーティスト招致事業等、幅広く取り組んで行く予定です。」
Locatellでは、一人ひとりの個性と多様性を尊重した働き方が大切にされています。実際、音楽家を兼務しながら働く社員もいます。
福知山愛と未来への展望
吉田さんが福知山でおすすめするのは、美味しい食べ物です。他県に負けない魅力的な味は、地域の魅力を一層際立たせています。「福知山を紹介する上で大切にしているのは、やはり食事ですね。温かな人々との出会いに加え、福知山の美味しい食べ物は皆さんの印象に鮮明に残ります。」と話すとおり、地域の素晴らしさをあらゆることを通じて伝えることを大切にしています。
福知山の魅力を発信し、精力的に活動し続ける吉田さんですが、今後の展望を尋ねると「Locatellは、芸術と教育を通じて多様性を認め合う、やさしい社会創出に貢献することを会社の使命としています。今後もこの使命を胸に、多角的な事業展開を進めながら社会貢献に邁進していきます。」と語ってくれました。
吉田さんはLocatellでの活動の他にも、一般社団法人福知山芸術文化振興会を設立し、コンサート、ミュージカル等の各種芸術イベントの企画・開催を通じて、より一層、福知山市民の方々に芸術に触れる機会を提供することに尽力しています。
クラリネット奏者出身の吉田佐和子さんが、コロナ禍での難局を乗り越え、自身の経験からこの社会に何ができるのかを真剣に考え、その結果として起業したLocatell。地域社会に寄り添った多様性を尊重するビジョンのもと、日々成長と発展を遂げていることが、吉田さんの温かく芯の通った言葉から伝わってきます。
※このページは、co-kyoto(京都府北部にある福知山市や舞鶴市、綾部市の地域情報をお届けするサイト)の転載記事です。