【徳島が舞台の本】もうひとつの『藍を継ぐ海』?再び注目を集めている「ウミガメ ケン太の冒険」

「主人公が住むこの町…行くとしたら、住むとしたら、どんな感じ?」
作品の舞台になった地域をとくしま移住コンシェルジュがご紹介します
作品紹介
右:「ウミガメ ケン太の冒険」-山下勇 著
徳島市出身の気象予報士・山下勇さんによる児童文学作品。
1993年に小川未明文学賞を受賞し、その後発刊されました。
今年1月に直木賞を受賞した伊予原新さんの著作「藍を継ぐ海」とテーマが共通することから、再び注目を集めています。
あらすじ
徳島で生まれたウミガメの子、ケン太が、黒潮に乗って大冒険!!
ハワイでサメにおそわれたり、大きなクジラに感動したり……。
そして、大好きなサクラといっしょに、ついにふるさとの浜へ帰ってきた!
作品の舞台
徳島県南部エリア「みなみ阿波」に位置する2つの地域がこの作品の舞台です。
南部エリアは紀伊水道~太平洋に面した1市3町、森林に囲まれた那賀町によって構成されています。
①ケン太のふるさと「賀立」(かだち):阿南市
ケン太のふるさと賀立は、徳島県の東端・蒲生田岬(かもだみさき)のある阿南市椿町の浜。
椿町は稲作を中心とした農村地ですが、3月~田植えが始まる4月までは町を流れる椿川でシロウオ漁が行われます。
阿南市はこんなところ
阿南市は南部エリアの中心地。海・川・山・街・島が揃い、住む場所によって環境がガラリと変わるのが特徴です。
市街地は沿岸部にあるので、「出勤前にサーフィン」「休憩時間は海辺でお弁当」など空いた時間で海へ行くことができます。
②サクラのふるさと「日和佐」(ひわさ):美波町
サクラのふるさと日和佐は、美波町の中心部。農業・漁業、門前町を中心に商業で栄えました。
四国八十八ヶ所霊場の23番札所「薬王寺」がにぎやかな集落を見下ろします。
作中に登場した「大浜」の目の前には、世界的に珍しい「うみがめ博物館カレッタ」があります。
写真は2年前に訪れた時の様子。あいにく営業時間外のため館内には入れませんでしたが、玄関裏?には屋外プールが!こんなに間近で(しかも無料で)ウミガメを見れるのは、うみがめ博物館ならでは。
【かわいい】サイト内「コラム」にてカメたちの様子が惜しみなくアップされています
うみがめ博物館カレッタ
※2025年夏頃リニューアルオープン予定
【豪快】クルーズ・ガイド・漁師めし!
うみがめマリンクルーズ
「ここは、人間がわたしたちを守ってくれるんだって。いつか、お年よりが教えてくれたのよ。」
ウミガメが産卵する条件として、人工光が少なく、暗くて静かであることが重要です。
ウミガメと人が共存する美波町では、役場やカレッタだけでなく住民の協力も必要不可欠。「藍を継ぐ海」で登場した住民ボランティア”うみがめ監視員”も実際に存在します。
ウミガメが上陸する5月~8月中は、夜間の明かりを抑えたり騒音を出さないよう、住民の努力が今も続いています。
上記の一節は「屋久島の田舎の浜」でのサクラの一言。
日和佐や賀立で受け継がれているウミガメと人との関係性にも通じるものがあります。
感想
「ウミガメ ケン太の大冒険」の舞台【阿南市・美波町】をご紹介しました。
作品を読んで、「阿須町のウミガメも命がけだったんだな…」としみじみ感じました。
ウミガメが地磁気を感知する能力について両作で触れていますが、何せこの作品はウミガメが主人公。
「自分の能力をこんな風に捉えてるのかな?」と想像が膨らんで楽しいです。
ウミガメと人、それぞれの視点で物語が進行するので、「藍を継ぐ海」とあわせて読むのがおすすめです。
\ 阿南市・美波町は移住受け入れに力を入れています /