いわて暮らしセミナー レポート「あのヒトは今、あのマチは今~Uターン先輩の足取りと暮らし~」
6月18日(土)に「あのヒトは今、あのマチは今~Uターン先輩の足取りと暮らし~」を開催しました。14組14名の方にご参加いただきました。
当日の様子をレポートにしてお伝えします。
今回は、実際にUターンした方、Uターン予定の方、計4名をゲストに迎え、釜石・山田暮らしの実情に迫りました。釜石市と山田町の移住担当者さんも上京し、東京会場から参加しました。
会場でのリハーサルの様子
目次
Uターン先輩移住者による体験談
今回の司会は釜石市職員の山?さん。ご自身も首都圏の大手企業にお勤めしていたUターン経験者です。ゲストは4名のUターン者(※予定者含む)にご参加いただきました。
【釜石市】
・菊池蛍汰さん(釜石市へUターン、現地からオンラインでご家族一緒に参加)
・菊池由美子さん(2023年にUターン予定、東京会場参加)
【山田町】
・堀合正裕さん(山田町へUターン、東京会場参加)
・佐々木美咲さん(山田町へUターン、現地からオンラインで参加)
【トークセッション】
自己紹介タイムの後は、様々なテーマで釜石市と山田町の暮らしを深堀りしました。
質問?「Uターンしてよかった!と感じたことは?」
菊池由美子さん:地元にいる両親がUターンすることをすごく喜んでくれた。
堀合さん:通勤時間が徒歩15分に短縮できた分、自分の時間に余裕が持てるようになった。
※今回のゲストさんの周囲では首都圏のように通勤に40~50分かかかる方はいないそうです。
佐々木さん:流れる時間がゆったりしていて、仕事でもオンとオフのバランスがとれるようになり生活にゆとりが持てた。沿岸部は雪が少ないので、冬でも過ごしやすい。
菊池蛍太さん:夫婦の両親が近くにいることもあり、ゆっくり子育てができている。釜石市市内に5カ所ある子育て支援センターでは、子供を遊ばせたり、育児の相談にのってもらったりしてとても助かっている。
質問?Uターン前と比べて、かかるお金、浮いたお金
菊池由美子さん:これから運転免許を取得するので、免許取得の費用、車購入費、維持費などまとまった出費になりそう。
※地方では運転ができることのメリットが大きいので、免許取得を勧める声が多かったです。
堀合さん:実家暮らしなので光熱費など毎月かかる費用が下がった。※佐々木さんも同意見。
佐々木さん:通勤にも使っている車のガソリン代は月1万円程度かかる。
菊池蛍太さん:Uターン後に子どもが生まれたので単純にその分の食費が増えた。車はご夫婦それぞれが持っていて、仕事や移動に使うのでガソリン代は月2万円ほど。移住後にかからなくなったお金は娯楽費、交際費。
山?さん:プロパンガスは都市ガスに比べて費用がかかるので注意が必要。
※釜石市の一部地域には都市ガスが入っています。
質問?Uターンのデメリット
佐々木さん:コロナ禍というのもあるが関東の友人と会うのが大変。Zoomを活用してコミュニケーションを取っている。
菊池蛍太さん:飲食店のクローズが早い。仕事が遅くなった時、ちょっとご飯を食べて帰る、ということが難しい。また、地元で出産ができず、隣町へ行かなければならない。30分くらい車で移動する必要があることが大変。
堀合さん:飲食店や娯楽の選択肢が少ない。時間がずれるとランチを取るのが難しい場合がある。
菊池由美子さん:病院の選択肢が少ないことが不安。収入が減ることも不安。
※地域の病院は診療科が少ないことや、特別な診療が必要な時は遠くの病院に行かなければならないことには皆さん不便に感じているようでした。
質問?休日の過ごし方
山?さん:ゴルフを楽しんでいる。首都圏はゴルフ場が遠いが、釜石市はゴルフ場が近い。
堀合さん:飲食店の選択肢が少ないこともあるが、自分で料理をするようになった。地元のスーパーのほか、通販も活用して様々なメニューに挑戦している。
菊池由美子さん:普段は家で過ごすことが多い。家事の合間に韓国ドラマを楽しんでいる。お母様と同じ趣味なのでUターン後に一緒に楽しみたい。
菊池蛍太さん:買い物や趣味を楽しんでいる。釜石市は新しい公園が多いので家族で過ごすことが多い。
※買い物で遠出する時は釜石市の皆さんは宮城県仙台市に行くことが多いそうです。三陸復興道路の開通によりアクセスしやすくなったそうです。
佐々木さん:ドライブや登山を楽しんでいる。鯨山、霞露ヶ岳(かろがたけ)など、地元の山に登って楽しんでいる。沿岸だと山と海の景色を一緒に楽しめるのが魅力。
質問?コロナ禍で感じた田舎のポイント
山?さん:密にならないのでマスクをする時間が少ない。窮屈さが少ないと感じる。
堀合さん:県外ナンバーの車に警戒感があったが、今はそういったことは無くなった。
菊池由美子さん:地元の観光地に人が少なく、広々していた。商店街のシャッターが閉まっていたので、コロナの影響なのか心配になった。
菊池蛍太さん:岩手県内での移動でも警戒感があったが、みんな気を付けたおかげで感染者数も少なかったのではないか。
佐々木さん:密になる機会が少ない。ワクチン接種の対応が早く、予約もすぐにできた。
【参加者からの質問に答えるコーナー】
・教育環境は?
保育所の待機児童はいない。高校まで地元で過ごすことができる。
・水道管は凍結するか
沿岸エリアでは凍ることはほとんどないので、「水抜き」はしないことが多い。
※「水抜き」とは、水道管の凍結を防ぐ作業のことです。気温が下がる日は水道の元栓を閉めてから、家の中の蛇口を全開にして水道管を空にします。岩手県に住んでいる方は「水抜き」のことを「水をおろす」と言います。
・冬の燃料費はどれくらいかかるか
オール電化だと月2万円くらいかかる。ソーラーパネルと蓄電池も活用して経費削減できている。
・自営業やフリーランスで活躍している人はいるか
地元企業に就職する人が多いが、農業関係、飲食店など様々な分野で活躍している方もいる。
・おでかけ情報はどこでみつけるか
新しいお店などはSNSで情報収集している。口コミ情報も多い。
・Iターンが移住しやすい環境づくりをしているか
「市町村からのお知らせ」にて支援情報を紹介。
市町村からのお知らせ
【釜石市】
・釜石市移住定住ポータルサイト「フレフレ釜石Try人」
移住者のインタビュー、釜石市の日常に関する記事が掲載されています。
イベント情報 https://kamaishi-tryjin.jp/category/event-news/
10月中旬 移住体験ツアーなど今後多数のイベントを開催予定。
釜石市の補助制度「ライフデザインU・Iターン補助金」
https://kamaishi-tryjin.jp/support/
・ワーケーション、複業・兼業、2拠点居住なども応援!
Co-ba kamaishi Marudai ?詳細:https://co-ba.net/kamaishi/
Nemaru Port 詳細:https://kamaishi-nemaruport.com/
・観光・体験情報⇒「オープンフィールド釜石」https://visitkamaishi.jp/
・オープンシティ釜石Facebookページ https://www.facebook.com/kamaishi.opencity/
【山田町】
・交通の便が良くなったと紹介がありました。※上記をご参照ください。
・住まいの支援が充実!
空き家バンク https://www.town.yamada.iwate.jp/docs/1172.html
移住定住促進リフォーム補助金 https://www.town.yamada.iwate.jp/docs/2192.html
移住お試し住宅 https://www.town.yamada.iwate.jp/docs/2884.html
上記のほか、お手洗いの水洗化、太陽光発電の設置、エアコン設置に対して補助があるそうです。条件等の詳細は山田町にお問い合わせください。
?個別相談
セミナー終了後は、各市町の担当者と個別相談の時間を設けました。東京会場とオンラインでそれぞれの市町担当者さんとおつなぎしました。
参加者からの声
今回のセミナーはUターンの方に多く参加していただきました。参加者さんがUターンを検討している理由としては、地域に貢献したいからという方が多く、郷土愛を感じる結果となりました。
今後さらに聞きたいこととしては、移住後に起業した方の体験談、物件情報、現地の受け入れ状況といった具体的なことでした。釜石市、山田町は首都圏での相談会に出展しますし、Zoomでの個別相談も随時できますので、ぜひお問い合わせください。
いわて暮らしサポートセンター移住コンシェルジュから
今回は「Uターン」をテーマに沿岸エリアの暮らしをご紹介しました。普段の暮らしやちょっぴり不便なところを赤裸々にお話していただきました。デメリットも知った上で、移住後の「暮らし」をしっかりイメージしておく必要性を感じました。
首都圏のイベントなどで移住コーディネーターに会える機会が増えてきそうなので、たくさんの方のいろいろな意見を聞いてみることをおすすめします。
今後も様々なイベントを開催しますので、ご期待ください!