宮城漂流ライターコラム ~僕と“ひがまつ”の恋愛模様~
お互いに想いは重なっているのに、全然告白されない。覚悟は決めているのに、プロポーズを待ち続けている。
そんな焦れったさを覚えるような女性の気持ちが、ほんの少しだけ分かったような気がしています。
…いややっぱり、どうだろ。しらんけど。
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●初めまして、のぼです。
あ、どうもこんにちは、初めまして。
宮城県美里町出身、東京都在住の大村昇と申します。フリーでライターやってます。
2021年11月19日から21日にかけて、宮城県東松島市の「地域おこし協力隊体験ツアー」に参加してきました。
時代は、ウィズコロナとも言われていますね。
一時よりは少し落ち着いた印象ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
ここらで生活、変わりましたか。はたまた、これから、変えちゃいますか。
僕は東京で暮らして5年が過ぎて、30歳を目前にそろそろ地元に戻ろうかと、ここ1年は地方での生活に目を向けています。
具体的には、およそ月に1回のペースで宮城のあちこちへ足を運び各地に知り合いをつくり、
緩やかに拠点を北へ移していこうと考えているのです。
出会ってFacebookを交換して“共通の友達”を見て、「あの方と知り合いなんですね~!」となる瞬間はたまりません。
そんな個人的な活動の一環として、今回は東松島へ行ってきました。
知り合いの移住コーディネーターの方に、招待いただいたといっても過言ではありません。
ちなみに僕は、29歳の独身男性です。
「身軽でイイね」と言われがちです。
あんまり自覚はないけれど、まあたしかに、側から見たらそんな年頃なんですね。
●東松島との出会いは、約1年前。
僕と東松島の出会いは、2020年の9月にオンラインで行われた『みやぎ移住フェア』。
東京の自宅で画面越しに移住コーディネーターの方と初対面を果たすと、
「1回おいでよ!案内するから!」というお声をいただき、
気づけば僕は1ヶ月後、東松島のJR矢本駅に降り立っていました。
無料で宿泊できるお試し移住を体験させてもらい、
また東松島に限らず他の市町も含めたさまざまな地域や人々と繋いでもらい、
それはそれは充実感に満ちたツアーとなりました。
その後は、年末年始に実家へ帰省した時に遊びに行ったり、
首都圏で移住のイベントが行われた時に顔を合わせたり、
あるいはライターとしてプロジェクトに巻き込んでもらったりと、
着実に良好な関係性を築けているのではないかと(僕は)思います。
そして、東松島は実家がある美里の“となり町”ということもあり、
個人的に移住先の筆頭候補として徐々に浮上してきました。
●何度目かの東松島で。
そんな中で参加した、今回の『地域おこし協力隊体験ツアー』。
3組のファミリーを含めた総勢14名(うち子ども5名)は全員、奇しくも関東から集結しました。
この2泊3日のツアーは、移住コーディネーターのアテンドのもと協力隊の受け入れ先を廻ることをメインとしながらも、
地域の観光やイベントも体験できる盛りだくさんの内容となった印象です。
僕は東松島へ何度目の訪問か分かりませんでしたが、
それでもまだまだ初めて出会う場所や人が多く、今回も心の底から楽しませてもらいました。
繰り返しになりますが、僕と東松島は出会って1年以上。
正直「すてきな環境だなあ」「やっぱり好きだなあ」と思っていたりもします。
●「言わない」という優しさ。
しかし、移住コーディネーターをはじめとする地域の方々は、
今回の別れの際にも「また来てね!」と、僕を爽やかに見送ってくれました。
おそらく少しでも移住を促進したいはずなのに、未だ僕がそれを勧められることはありません。
そうです。
全然「移住してよ」とプロポーズしてくれないのです。笑
いや、地域や移住のイベントへ行くと、たまにいらっしゃるんです。
自治体のブースで「ウチに移住しませんか?」と、こちらはまだ街のことを何も知らなくても、
いわば“初対面でプロポーズ”してくるような方も。
ただ、僕はやっぱりまず地域(の人)と自分がお互いのことを知り合う“交際期間”が必要だと思うので、正直どうしても苦手な意識がありました。
しかしながら、東松島に関しては、逆にこんなにも言われないのかとも思います。
あれ、なんだか都合が良くてすみません。笑
もちろん最終決定権や“覚悟”の部分は自分自身にあると思っていますが、
移住担当者として移住を勧めないことは、なかなか難しいことだと思いませんか。
ひょっとしたら「もういい加減、移住してよ!」という言葉が、喉元にまで上がってきている可能性もあります。
ただ、僕の耳にそんな言葉は聞こえてきません。
移住コーディネーターといっしょに過ごして、そんな態度が伝わってくることもありません。
きっとこちらの気持ちや人生を、最優先に考えてくれているのですね。
決して奥手なのではありません、これは優しさなのだと思います。
●我ながら、今後の展開が楽しみです。
「いやいやそんなことを言うのなら、さっさとお前の方から移住を決めてしまえよ」と、僕に対してそんな声も聞こえてきそうです。
まあまあ、分かりますよ、その気持ち。僕もおそらく、僕みたいなヤツがいたらそう思うことでしょう。
ただ、この焦れったい感じとか、この先どうなるんだろうという期待感とか。もう少し楽しませてくださいよ。
思えば、今後の人生でこんなこと、もう二度とないかもしれませんからね。
地域の人と想いを寄せ合うことなんて、東京に住んでいる今だからこそ、です。
そして東松島だからこそ、です。
うん、今日はそういうことにしましょう。
これからも僕は、宮城と、そして東松島と、より一層関係性を深めていきます。
そんな中で、僕自身がどんな決断を下すのか。
この“恋愛模様”はどのような展開を迎えるのか。
自分でも楽しみながら過ごしていきたいと思います。
とりあえずもう少し、東松島の皆さんの優しさに甘えていたい気持ちは、あります。笑
★大村さんが参加されていた、東松島市移住モニターツアーについては、こちらをご覧ください。
https://www.furusato-web.jp/topics/369439/