家島地域おこし協力隊×ひょうご移住プラザ スペシャル企画 第3弾 どうやって応募?どんな活動してるの? 家島での地域おこし協力隊
第3弾 どうやって応募?どんな活動してるの?
家島での地域おこし協力隊
諸般の事情により(コロナの影響がこんなところにも)遅れておりました、 WEB furusato 地域トピックス SPECIAL企画 第3弾!をお届けします。
→第1弾「島暮らし ~姫路本土から30分、瀬戸内の島・家島の場合~」はこちら
→第2弾「どんな島?どんな生活? 家島暮らしのリアル」はこちら
本稿は前2回に引き続いて、姫路市地域おこし協力隊?の?伊藤真美さん?
の全面協力を得て、
兵庫県の瀬戸内海に浮かぶ島、家島諸島と地域おこし協力隊としての活動についてご紹介いただきます。
(※伊藤さんは2021年秋卒隊され、現在も家島にてご活躍中です)
今回の記事はインタビューです。聞き手はひょうご移住プラザの近藤?
です。
地域おこし協力隊に関心がある方、島暮らしに興味がある方、海近暮らしに興味がある方、瀬戸内海沿いに住んでみたい方におすすめです!
第1弾では、姫路市地域おこし協力隊の伊藤真美さんに瀬戸内海に浮かぶ島、姫路沖の家島諸島をご紹介いただき、
第2弾では「家島」での「島暮らし」について、実際どうなの?という所を中心にお話をお伺いしました。
そして第3弾では「地域おこし協力隊」としての活動にフォーカスしてお話を伺いたいと思います。
? 近藤
ー今回は家島での地域おこし協力隊の活動について、お伺いしたいと思います。
よろしくお願いします。
?伊藤
よろしくお願いします。
?
近:―家島で「地域おこし協力隊」をしようと思ったのはなんでですか?
伊:元々島が大好きで、瀬戸内芸術祭にも毎回行っていましたし、ほかの島にも休みが取れたらよく遊びに行っていました。
そして、いつか住んでみたいなあという気持ちがなんとなくありました。
近:―それを実行したきっかけは?
伊:東日本大震災がきっかけでした。当時、自宅は神奈川県川崎市でしたが、職場が新浦安(注千葉県浦安市・液状化などによる被害が極めて大きい地域だった)で、そこで被災して、コンビナートの爆発があったり、交通も麻痺して、しばらく帰れなかったり、小学校で寝泊まりをすることにもなったんですね。
その時に、いつかやろうと思っていることを先延ばしするのは良くないと思って、「島暮らし」を本気で考えるようになりました。
(西島・いえしま自然体験センターのビーチ)
伊:そして、そこからは観光の視点ではなく、移住の視点で島を見始めるようになったんですが、いきなり入るには厳しいかなと思うことが多かったんですね。
移住を考えていることを話すと、あまり歓迎されなかったり、逆にいきなり行った島なのに○○さんと結婚しなさいと言われたり(笑) 自分の選択肢が狭まってしまうと思うこともありました。
それで「地域のために何かをします。3年間」という形の「地域おこし協力隊」という制度を使った方がより、島に入りやすいと思って地域おこし協力隊を考えました。
近:―どうして家島だったんですか?
伊:そして「島」の地域おこし協力隊の募集を探していたら、その中に家島があったんです。家島の地域おこし協力隊は、(当時他と比べて)給与面があまり良くなかったなど(以下略ww)のこともあって、実はあまり期待していなかった。だけど、先に移住されていた方に案内してもらったり、地域おこし協力隊の先輩の方にも会って、一緒に活動しましょうと言ってもらって、「やっていけるかなあ」という肌感覚ができました。
(家島に初めて行ったときに案内をしてくれた先輩移住者、
いえしまコンシェルジュ・中西和也さん)
伊:もう一つ、家島に初めて行ったときに、ガット船(注:石や砂利等の運搬船。家島は石材関連産業が盛んで石や砂利等を運搬するガット船がたくさんある)に乗せていただいたんです。普通なかなか知らない人を船には乗せてくれない (注:仕事の邪魔になったり、ケガをされると困るため) のに、いきなり船に乗せてくれて、またそこで船長がプライベートの話を聞いてもいないのに(内容略:ホントは人に話してもよいのかわからないような内容)していただき、この島は面白いなあと思ったんです。
(はじめて乗せていただいたガット船)
伊:島で子供の声がすごくして、港でキャッキャ遊んでいたのも印象的でした。後で聞いたら幼児(3才)から高校生まで学校があってすごく可能性も感じました。
それで、いくつかの島を見た結果2つに絞って最終的に家島にしました。
近:―地域おこし協力隊になる前はどんなお仕事をされていたんですか?
伊:カメラマンや、ウェブデザイナーもやっていました。どこに行ってもできる仕事を身に付けていたし、テレワークもできていたので、移住することにそれ程不安はありませんでした。地域おこし協力隊の面接でも、あまり心配していない、というようなことを言ったように記憶しています。また、「地域のための交流の場づくりを考えている」というような内容の話をしたと思います。
(ウエディングカメラマンをさせていただいた新郎新婦と)
近:―収入面はどうされていますか?(最初は給与が…という話もありましたが)
伊:1年目は今までやっていた仕事を一部テレワークで持ってきていました。だけどあまりそちらのウェイトが大きくならないようにはしていました。
2年目からは、そちらの仕事は休んでいます。その代わり、少しのアルバイトをやっています。
近:―地域おこし協力隊としての仕事はどんな内容ですか?
伊:私の地域おこし協力隊の業務は現在大きく分けると3つくらいがメインになっています。
ひとつが「空き家対策協議会」の仕事。今日も空き家を見に行くんですけど、家島内の空き家の持ち主さんや利用希望者さんとご相談したりしながら空き家のマッチングをしています。
(最近行われた空き家対策協議会の勉強会の様子)
伊:2つ目は獣害対策です。昔は島にはイノシシがいなかったんですが、最近島でイノシシの獣害が増えてきていて、島の猟師さんが頑張ってほぼボランティアで対策をしておられるので、そちらのお手伝いをしています。罠をかけたり解体するのを一緒に後ろについて行って。そして7月には、無事にわな免許を取得することができました。猟期が始まる11月15日から、本格的な活動が始まります。
(定期的に罠の見回りをしています。)
伊:そして、3つ目が「明後日朝顔プロジェクト」
(注:伊藤さんのご説明を要約すると「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」において、アーティスト・日比野克彦氏が新潟県十日町市の集落の方たちと朝顔を育てるかたちで始まったプロジェクト。芸術祭のために朝顔を地域の人が廃校の校庭に咲かせていたことに感銘を受けた日比野氏がそれをアート化したところからスタートした。その時の種を全国の30地域くらいで育てて、地域間交流をしている。)
これは以前家島に赴任していた小学校の先生が、それを知って熱心にやりはじめたのがきっかけで家島諸島内で活動が続いてきたんですが、2019年の「明後日朝顔全国会議」の朝顔の種のコンテストで姫路(西島の種)が「優勝」し、次期全国会議の開催地に決まりました。コロナで家島諸島での開催は2021年に延期となりましたが、2021年度は姫路市立美術館の主催で日比野克彦さんを招へい作家とした、アーティスト・イン・レジデンス「明後日のアートの学校?町も海も山も寺も城も人もつながるプロジェクト」が始まったり、書写山・圓教寺の摩尼殿を始め、姫路各地で明後日朝顔が育てられました。もちろん家島の各所でも、この取り組みが行われ、私も子供達や地域の方と種植えなどを行いました。
(家島高校の明後日朝顔。家島本島では幼稚園から高校まで全学校が取り組みました。)
伊:朝顔の種の形をした船「TANeFUNe」が瀬戸内海の島に寄港しながら西島・いえしま自然体験センターまで来たり、その船長でアーティストの喜多直人氏が浜の漂着物を利用したアート、海洋環境にかかわるようなテーマの展示もしています。
(この夏、家島諸島にやってきた「TANeFUNe」)
企画制作:日比野克彦《TANeFUNe》2012~??HIBINO Katsuhiko
伊:そしていよいよ11月6日・7日には延期になっていた「明後日朝顔全国会議」が行われる予定です。姫路市立美術館では11月7日まで、日比野克彦さんの個展「明後日のアート」展も行われています。
(日比野克彦展「明後日のアート」展示風景)
日比野克彦『明後日の種』(2007年 金沢21世紀美術館蔵)??HIBINO Katsuhiko
近:―仕事をしていて楽しいことはなんですか?
伊:島民の方の昔の話を聞くのは面白いですね。姫路市になる前の家島町時代の話をきくと、えーそんな仕事してたんですか、とかおもしろいですね。
近:現在は地域の公共的なところに近い仕事が多いようですが、任期後の希望はありますか?
伊:以前やっていたような形でテレワークでのお仕事ができたらと思っています。だけど自分だけで仕事をしていると交流がなくなってしまうので、自分のオフィスをコワーキング化したいなあと。だけど、飲食をやると働く場としての機能が中途半端になってしまうかな、とも思っていて、バランスが難しいですね。あとは島の高校生が船待ちできるようなリラックスペースとしての機能を持たせる場所ができないかな、とも思っている。(瀬戸内海の島でさらに規模が小さい)男木島でコワーキングスペースができたことも刺激になっています。10月末でついに3年間の任期を終えて、卒業いたしますが、その後も島に住む予定でおります。島の方々には、感謝でいっぱいです!そして、これからも仲良くしていただけたら幸いです。
(家島高校の魚部(ぎょぶ)の活動にも参加させてもらいました)
近:ありがとうございました!これからも伊藤さんの家島でのご活躍を応援しています!
第1弾 島暮らし ~姫路本土から30分、瀬戸内の島・家島の場合~ はこちら
第2弾 どんな島?どんな生活? 家島暮らしのリアル はこちら
そんな家島諸島には、こんなサイトがあります。
兵庫県公式観光サイトHYOGO!ナビ 姫路から船で約30分!穴場の離島・家島で夏旅&マリンスポーツを満喫 !! (伊藤さんご出演)
是非ご覧くださいませ!