滋賀からひろがるストーリー Vol.10 団結力が生み出す近江の地酒
山路酒造有限会社 若女将 山路 祐子さん
競争ではなく、団結力が生み出す近江の酒
春といえばお花見。今年は、ブルーシートを敷いてのお花見はできないようですが、せめて外に出て、桜を愛でたいものです。日本人は、本能的に 桜を見ることでパワーアップできることを知っているのかもしれません。
お花見には、やはり花見酒ですね。
全国でも珍しいと言われている近江の地酒。切磋琢磨しながら団結力が生み出す酒!と言われています。滋賀県内の蔵元は約40ありますが、それぞれが独自性を追求した自社ブランドを持ちつつ、競争するのではなく、情報交換しながらお互いを高めているそうです。
滋賀県長浜市木之本町には、日本で5番目に古い酒蔵と北大路 魯山人に愛された酒蔵があります。
【山路酒造】
日本で5番目に古い酒蔵。近江のもち米と麹と桑の葉を独自の方法で焼酎に漬け込み、伝統味醂の製法で作ったリキュール酒、桑酒が有名です。詩人島崎藤村も愛したお酒で、桑酒を注文した藤村自筆の手紙も残っているそうです。若女将の笑顔に惹かれて買いに来られる方も多いようです。
【富田酒造】
七本槍が有名です。若き日の北大路 魯山人が湖北に逗留中に愛したお酒です。守るべきものは変えずに守り、変革する部分は、果敢に挑戦するという15代蔵元、富田泰伸さんの意気込みが感じられるお酒。日本酒を作っている酒蔵は全国に1000以上あるそうですが、その日本酒造りの伝統を大切にし、発信に努めておられます。
(富田酒造 photo by Kawase)
余談ですが、北大路 魯山人は、旨味に溢れ、柔らかな食感と肉の甘みが抜群の長浜の鴨すきも大好物だったようです。長浜ではかつて、秋から冬にかけ、シベリアから琵琶湖や川に飛来してきたマガモを狩猟していたことから、鴨料理がさかんです。昭和46年に県が琵琶湖や周辺地区を鳥獣保護区に指定して以降は、北陸などからマガモを仕入れています。長浜の鴨すきは、谷崎潤一郎、白洲正子ら文化人も好んで食べたとされています。
鴨鍋 長浜市 (公社)びわこビジターズビューロー
【北国街道】
北国街道は、かつて北陸と京阪神を結ぶ重要な街道でした。多くの商人、旅人、武将らが頻繁に利用、長浜はその宿駅として、また湖上交通の要として栄えた町です。
街道沿いには今も、港町の風情を残す舟板塀や紅殻格子(べんがらごうし)、虫籠(むしこ)窓の家々や白い土蔵を持つ老舗の商家、道中安全を願った常夜燈などが建ち並び、昔の面影を色濃くとどめています。
(山路酒造 photo by Kawase)
滋賀の地酒祭は、東京で、一年に一度、ここ有楽町の交通会館で開かれます。滋賀の美味しいお酒を味わうことができます。帰る時は、いつも足元がフラフラです。
また、滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」でも常時、滋賀県の地酒をお楽しみいただけます。滋賀県酒造組合33蔵元が提供するお酒のスタンプラリーもあります。
きっと個性的な滋賀の地酒の魅力を感じていただけることでしょう。
■滋賀からひろがるストーリー バックナンバー
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Vol.4 子供達に出掛けた気持ち体験を!びわ湖放送”学習応援番組”
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Vol.7 自宅で楽しめる滋賀ネタYou Tub
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